今回から子宮内膜症について。

子宮内膜症の「子宮内膜」とは子宮の真ん中にある膜です。膜というくらいですから元々はとても薄いのですが、1か月かけてだんだんと厚くフカフカになります。厚くなるのは受精卵を着床させやすくするためで、もし受精卵が来なければ厚くなった内膜は剥がされ排出され元の薄い膜に戻ります。このように毎月毎月赤ちゃんのフレッシュでふかふかなベッドを作るというのが月経の意味合いになります。妊娠が成立しなかった場合に子宮内膜を含む血液が子宮口から出るのが月経血ですが、一部お腹の中に出てしまうことがあります。
どうしてお腹の中に出てしまうかは未だ全て明らかにはなっていませんが、月経時、子宮内から卵管を逆流して腹腔内に出る、などが考えられています。お腹の中に出てしまうと子宮壁、卵巣、卵管、腹膜、その他の臓器に内膜がくっついて増殖し、腹腔内の癒着、炎症を引き起こし痛みの原因となります。これが子宮内膜症です。
手術でお腹の中を見させていただく機会が多い私たちにしてみますと、むしろ子宮内膜がお腹の中(つまり子宮の外)に全く見られない方のほうが稀で、全ての女性は子宮内膜症ではないかと思うほどです。ならば生理痛など子宮内膜症としての症状はすべての女性に出てもおかしくないはずなのですが、症状が強く出る方と全くない方がいるのは何故でしょうか。これもまだ良く分かってはいないのですが、通常お腹の中にあるべきではない組織が出現すると免疫の力が排除してくれそうですから、そういった免疫の差が関係しているのではないかという説もあります。
みらいウィメンズ駅前クリニック
朝倉禎史